建物寿命と実際の限界までの誤差
マンションの建物寿命は現在100年以上とも言われています。
しかし実際はその前に建替えや取り壊しになる場合が殆どです。その理由として、定期的に必要な建物のメンテナンス不足による深刻な劣化進行が原因であったり、大規模修繕に必要な費用の捻出の問題、その他に、古い建物の場合、そもそも大規模修繕を行う事が困難な建物構造である事もあります。
配管設備の寿命が25年程といわれている中で、配管更新工事を行わずに築年数39年目を迎え、今後も配管更新せずに建物寿命まで給水配管の維持をする事を決定したマンションがあります。今回はその宮城県仙台市にあるマンション、コープ野村南石切の理事である古田武さんに取材を行いました。
日々進行する給水配管内の赤錆劣化
前述の通り、建物は適切なメンテナンスが行われなければ建物寿命まで実際に使用できる可能性はほぼありません。また給水配管に関しては、配管の継手内部で赤錆が発生し、経年と共に劣化が進行する為、赤錆による漏水や配管内閉塞が起こる場合があります。
当時、築23年を経過していたコープ野村南石切に関しても、定期的に実施していた排水管洗浄で多量の赤錆が排出されていた為に、給水配管の状態が劣化している事を実感していた古田さんは、今後の修繕費等が増える事を考え、少しでも早い対策が必要と認識していました。
配管更新工事をせずに延命可能な『NMRパイプテクター®』
配管内赤錆劣化の対策を調べていたところ、古田さんは『NMRパイプテクター®』の存在を知りました。『NMRパイプテクター®』はその防錆効果によって、赤錆の発生を防ぎ、すでにある赤錆に対しても還元作用によって体積が10分の1の黒錆に変化させる事で、配管内の赤錆閉塞を改善し給水管の延命をする事が出来るというもの。
また『NMRパイプテクター®』の導入費用は配管更新工事に比べ5分の1程で抑えられる事から、コープ野村南石切の問題解決に適していると考えました。また、『NMRパイプテクター®』は設置より40年以上は赤錆防止効果が持続する設計の為、配管更新工事をせずに建物を維持する事が可能となります。
赤錆の減少と黒錆化を確認
古田さんは『NMRパイプテクター®』の導入に向け、事前の給水配管内の内視鏡調査を行いました。結果はやはり、配管内の赤錆劣化が進んでいる為、このままだと4~5年以内に配管更新工事が必要との診断でした。そして築24年目に『NMRパイプテクター®』の設置を行い、その後、古田さんがその効果を実感する出来事がありました。
『NMRパイプテクター®』を設置する以前は、毎年、排水管洗浄を1回行っていたのですが、ヘドロ等の堆積物だけでなく多量の赤錆が出ていたものが、設置後は排水管洗浄時の赤錆の排出が極端に減り、ウサギのふんの様な小さな凝縮された黒錆が出てきたというのです。これは『NMRパイプテクター®』によって赤錆が防止がされた事と、赤錆の黒錆化がされている事の証明でした。現在では、その後の経過が良好な為に排水管洗浄の回数も30%減らすことが出来たと言います。
実際に給水配管の延命を可能にした『NMRパイプテクター®』
そして『NMRパイプテクター®』を設置し15年を迎えた年に給水管と排水管を抜管して配管劣化進行調査を行いました。抜管した配管内部では赤錆閉塞はほとんどなく、赤錆は黒錆化されていることが改めて確認されました。
古田武さんへの取材時には築39年目を迎えていたコープ野村南石切でしたが、『NMRパイプテクター®』での配管延命に成功したことから、今後も配管更新工事の予定はないと話します。これは4年前に専門化に依頼し、まとめた向こう30年間の修繕計画である事からも、その内容に説得力がある計画と分かります。
『NMRパイプテクター®』により長期の建物管理に対する不安を解決
技術の進歩があっても、現在給水配管の更生方法の選択肢はあまり多くありません。さらにそれは、配管更新までの時期を先延ばしにするだけであり、配管の延命効果が配管更新工事を不要とするまでのものではないのが現状です。
『NMRパイプテクター®』を導入する事のメリットは、更新工事に比べ低コストですむ事、設置工事が短時間で済み断水が必要ない事等ありますが、給水配管の寿命を建物寿命まで延命する事は、建物管理を行う上での配管更新工事という大規模修繕に対する不安をなくし、安心して生活を送る事であるといえるのではないでしょうか。
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